復旧不定期日誌191, FromHDDtoSSD データ復旧機能 不良セクタ危険予知機能について

本日は、年末年始に多くのお問い合わせをいただきました、
不良セクタ危険予知機能について、まとめました。

FromHDDtoSSDのデータ復旧機能に、
不良セクタの位置・性質を先回りで予測させ、
危険を回避させる「不良セクタ危険予知」を搭載いたしております。
この機能の基本部分(ベース)にR.E.C.O.A.I.(学習スキャン&人工知能)を採用しておりまして、
ドライブメーカ・特性・危険性をリアルタイムで解析しつつデータ復旧・ファイル書き出しを行うことができます。

そして、この機能は復旧率向上のためではなく、
安全性を優先する「生き残る(認識を保つ)」ための機能となっております。
これが大事です。順に理由の方を並べます。特に以下「4番」は重要です。
※ 単にWindows(OS)が起動しないだけで、
USB外付け化で簡単に出るだろと軽く考えていたのが、
命まで捉えられかねない事態にも、普通にあります。

1, データを復旧するには、壊れかけたドライブの認識状態を一定水準以上に保つ必要がございます。
どれだけ途中まで優れていても、僅か1回のミスでドライブが認識不能となってしまいますと、
それ以降は何もできなくなります。
2, さらに悪いことに、そのミスを出し易い位置が「頻繁に利用されるセクタ」となっております。
この「頻繁に利用されるセクタ」は統計に頼らなくても直感で分かると思います。
それは、ファイルシステムのメタデータ(ファイルシステム自身のデータ)です。
3, データ復旧作業(USB外付け化による普通のコピーなども含む)では最初に各ファイルの位置を探るため、
そのメタデータに必ず触れます。
結局、最初からリスクの高い作業を要求されてしまうわけです。
4, ドライブの状態が分からない場合は、「リスク管理」が絶対に必要です。
なぜならば、壊れても異常音が一切出ないドライブ、
本格的に壊れる前に一旦正常を振る舞うドライブ、
破損していないのにエラーコードを出して動作不能(認識を遮断)となるドライブ(これは最悪です)、
基本的に「何でもあり」なのが流通しております。
これらのドライブから簡単にデータを引き出せると考えてしまいますと命取りで、
ほぼ間違いなく取り出す前に壊してしまいます。
※ 少し前(数年前)の時代のドライブならば、
Windows(OS)が起動しない程度ならばUSB外付け化で簡単にデータを出せたのですが、
今ではそれすらも厳しいのが現状です。

2016-0114 追記:
僅か1回のミスで、順調だったコピーが止まってしまう状況について、追記いたします。
以下、これを再現いたしましたグラフです。
※ 瞬間的な計測(変化量)ではなく、実際の転送速度を全体の視点から導きました。

こちらは、突然、ストンといくタイプの壊れかけHDDです。原因は前述3番に潜むリスクです。
これを引き起こしてしまいますと、データ復旧は急激に難しくなりまして、「クリーンルーム作業(ヘッド交換)&データスキャン3週間以上は覚悟」となります。
※ 大変申し訳ないのですが、費用の方は2段階~3段階、上昇 & 復旧率は最良で60%~70%程度です。
こうならないためにも、リスク管理により「状態を維持」するのが最優先となります。
※ 重要:「一気にコピー」「復旧ソフトウェアで何時間も放置」などが、このような状態にさせやすいです。

リスク管理は、グラフ左側の「状態が良い時」に、できる限りの対処を行います。
または、大事なデータから少しずつコピーする方法も有効です。
そして、何も考えずに「一気にコピー」は危険です。
※ 重要:状態が悪化してからでは、リスク管理の対処を行うことはできません。
悪化したヘッドでは、何をしても、戻りません(>_<)。

以下、悪化した部分の変化量を示すグラフです。
全く安定せず、認識不能になる直前の様子を表しております。

2015年10月にリリース予定の件、遅れておりまして大変申し訳ございません。
※ R.E.C.O.A.I.の反映等で遅れております。大幅に機能を上げておりますので、
デバッグ完了次第、Build:2250をリリースいたします。

今年も、なにとぞよろしくお願いいたします。

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