復旧不定期日誌118, [Lab]:故障予測 パート17 不良セクタとパーティションの関係1&復旧エンジニアが複雑な方程式を電卓で朝から晩まで?

いつも大変お世話になっております。
データ復旧担当(現:故障予測)の矢野と申します。

故障予測 パート17 (不良セクタとパーティションの関係1)

パーティションが見えなくなる障害といたしましては、MBRの損傷という点は前回お話いたしました。

しかしながら、大容量HDDの場合、
不良セクタが1個所で済む事はなく、多発する方が多くございます。

そこで、多発する不良セクタの位置を考えていきます。あ・・FAT32です。
まずはじめに、MBRを損傷した場合、パーティションに関するデータを失います。
しかしながら、実際のデータとは関係がないため、
失われた分は問題なく探す(位置とサイズ)ことができます。

では、探すとしても、失われた分を補える手掛かりが必要です。
MBRの次は、領域情報を抱えてBPBと呼ばれる部分へ飛びます。

ここで、BPBの姿(構造体)をチェックしましょう。
サイズは1セクタ分(512バイト)で、さらには1セクタ当たりのバイト数や、
1クラスタ当たりのセクタ数を表すメンバを持ちます。

そのような事実上固定値と化したメンバ(1セクタ当たりのバイト数)や、
使えそうなメンバを全セクタスキャンで探します。

そして、固定値が一致したら他メンバを読み取って論理構造を判断します。

また、構造体のサイズと1セクタ分のサイズが一致すれば、
無関係なセクタを再解釈しても、無意味な数値が並ぶだけで、
エラーとして除外すれば良いだけです。(無効なメモリを指す事はないです)

※ よくデータ復旧業界にて、
「担当エンジニアがバイナリレベルで複雑な方程式を電卓で朝から晩まで・・・」
という話があるそうですが、これはおかしな話です。

バイナリに関しましては、インテル系の場合はリトルエンディアンゆえ、
そのまま並ぶのではなく、下位からデータが収められます。
つまり、人間が解釈するには悩ましく、これに複雑な方程式?とは使途不明です。

そんな事をする位なら、手元にある「パソコン」を大いに活用しましょう、となります
電卓なんかよりも遥かに速いです。というか、比べ物になりません。
そして、それで時間を要したから「費用が高額」ではお客様も全く納得できないと思います。
パソコンでやっても、手作業でやっても、得られる成果は同じです。

次に、拡散した不良セクタを考えます。
故障予測 パート18 (不良セクタとパーティションの関係2)へ続きます 。

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