復旧不定期日誌113, [Lab]: 故障予測 パート12 (突然読み込めなくなったHDDを考える3)

いつも大変お世話になっております。
データ復旧担当(現:故障予測)の矢野と申します。

故障予測 パート12 (突然読み込めなくなったHDDを考える3)

今回はディレクトリエントリとLNFです。

ファイルやフォルダを読み書きする上で、
辿る度に読み込まれるセクタとなりますので、必然的に読み書き回数が多くなります。

実際には、エントリが基本で、それで不足する場合はLNFにて補う形となります。
例えば「故障予測サービスを実施する上での注意事項.xls」という場合は、
ファイル名が長いためLNFを連続して繋げていく方式を取ります。

LNF側には全ファイル名が収まり、エントリには短い形式(8.3形式)のファイル名が収められます。
よく、Windowsにて使用されていたHDDをDOSから見た際、
ファイル名が途切れているのを頻繁に見かけると思います。
これは、DOSは8.3形式のみ対応ゆえ、LNFではなくエントリから読み出した短い方のファイル名を表示する訳です。

これらファイル名を収めた部分に不良セクタが発生した場合を考えます。
1つ発生いたしますと512バイト(HDD/SSD)を失うため、これが結構な量となります。
ところで、日本語の長いファイル名はLNFとエントリを合わせて結構な大きさとなります。

よって、不良セクタによりデータが失われた場合でも、
エントリが指す先頭クラスタ位置を失う個数は少なくなります。

それでも、FAT系(FAT32)で不良セクタは厄介です。
さらには、デジカメなどの記録媒体などで現在も大いに活躍中です。
なお、先頭クラスタ位置を失った場合でも手段はあります。
クラスタ(厳密にはFAT)をスキャンして上手い結合順序を探るクラスタスキャンや、
ファイルの実体を直接取り出すシグネチャスキャンがあります

デジカメなどのご利用機会は多いと思いますので、
ファイルの実体を直接取り出すシグネチャスキャンを実際に行ってみましょう。
実はこのスキャン、データの実体を直接取り出すため、
ファイルシステムが完全崩壊しても利用できるタイプです。

もちろん、ツールを使います。
ツールはFromHDDtoSSDの「JPEG画像シグネチャスキャン」を利用いたします。

故障予測 パート13 (復旧ツールを使用してみる1)へ続きます 。

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