復旧不定期日誌110, [Lab]: 故障予測 パート9 (不良セクタの種類を考える2)

いつも大変お世話になっております。
データ復旧担当(現:故障予測)の矢野と申します。

故障予測 パート9 (不良セクタの種類を考える2)

前回の続きです。

不良セクタの種類と場所について考えてみます。
まず、読み書きの回数が多いセクタほど、代替を経て読み書き不能となり易いです。
読み書き回数を増加させるのはOS一時使用ファイル(ページングファイル・スワップ)、
あと盲点となり易いのがオフィスファイルです。
隠しファイル属性にて一時ファイルを同フォルダに作成する性質があるため、
書き込み制約のあるフラッシュメモリにオフィスファイルを入れてそのまま運用すると、
その一時ファイルに書き込みされてしまい、壊れてしまうという話があります。

ところで、最初に挙げた例は間違いなく最善の壊れ方です。
なぜならば、経年劣化にて自然に使えなくなるからです。
実際にはそのような例は少なく、大体はヘッドクラッシュを含めた壊れ方をいたします。
S.M.A.R.T.は主に経年劣化を見抜く機能ですので、これでは対応できない訳です。

ヘッドクラッシュを起こす前には、「とある」セクタが増殖するパターンなど、
不良セクタ予測には大容量HDDの劣化自体を予測する重要な要素が色々と隠されております。
具体例を少しずつ拝見しながら、内容を固めていきたいと思います。

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