復旧不定期日誌50, なんと、2.5インチ-HDDで容量が32TBです。これは、容量を改ざんする復旧業者の罠です。

ポータブル外付けHDDのご依頼となります。
簡易検査にて<容量は32TB?>って。

HDDを取り外して調査を開始します。
やはり32TBを出してくるのですが、案の定、37GB以降のアドレスは全てError。

実は、他の業者にて診断済みのご案件です。

とりあえず初期診断を依頼したところ、
費用が32万円と高額で、
復旧をするのかどうか散々脅されて(これが最後の機会などと言われる)、
そこを蹴って、そのままその足で弊社にお持込いただいた案件となっております。

お話を伺う限り、中々返してくれず非常に参ったとの事で、
一体何をしていたのでしょうか、でした。
電話で解決を図ろうと試みるも3時間以上同じ事の繰り返しで埒が開かず、
強引に取りに行き返してもらったとのことです。

14時お持込だったと思いますので、
午前中一杯、返却の旨でずっと揉めていたのか、です。
最近はお目にかかれなくなりましたが、HDD全体容量を消滅させる手法などはよく流れてきました。
つまり、HDD全体容量が0GBになっています。

こうすると、BIOSには正常認識致しますが、容量が0GBゆえ全く読み込めません。
巷では「オリジナルファーム」と名付けられていたようですが、
このファームのメリットが不明です。まあ、単なる詐欺ですね。

実際、容量を修正する(ファームはそのまま)と、、、何の問題もなく復旧できます。

つまり容量の修正方法を知らないと、復旧できなくなる罠です。
そして・・今回の容量オーバ。

一見、容量を消滅させるのと同じ手口のように感じられますが、
遥かに厄介な症状でした。
容量オーバの場合、コンピュータに認識できなくなります。
認識できないと、容量の修正などの手段が閉ざされます。

ただし、コンピュータへの認識自体は必須ではなく一つの手段ですので、
他にも手段は沢山ありますゆえ、復旧は可能です。

但し、一番の最速復旧方法を取られるので、
復旧完了までの工期が大幅に伸びる点が痛いです。

つまり通常方法では、復旧できなくなる罠でした。
そもそも、今回の案件は軽い論理障害で、物理障害ではありません。

物理的に壊れている場合はこのようなソフト的な罠を仕掛ける事ができませんので
「これが最後の機会」と言い切って、
他の復旧業者で出されてしまっては後で何を言われるか分からないため、
このような巧妙な手口でHDDを潰しているとも考えられます。

2022年1月追記:
まだ3.5インチでも32TBに達しておりません。なんて、ね、です。
今でも、これとよく似たドライブは結構あります。
以下のURLに、しっかり分類別にまとめております。

https://www.iuec.co.jp/recovery/algo.html

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