復旧不定期日誌16, 駆動方式で対処法が変わる

現在流通しているHDDの駆動方式として、CSS方式と、ランプロード方式と呼ばれる2種類が存在します。CSS方式は最内周部に接触面積を減らす工夫がなされ、その部分にヘッドを押し付け接触させて動作を停止させます。回転を開始すると生じた風でヘッドが浮遊し、データ記録面を自由に動く事ができます。

ランプロード方式はディスク外部に設けられたランプと呼ばれるヘッドを格納する場所を利用します。
回転を開始すると、回転数が最大に達したと同時にヘッドが飛び出ます。 どちらも利点欠点がありますが、正常な場合、大差はありません。

差が出るのは故障した場合です。CSS方式の場合、ヘッドを押し付けて動作を停止させるためヘッド損傷で故障した場合、さらに状態が悪くなります。特に多いのが接触の衝撃でスライダが剥がれてしまう状態で、スライダが剥がれるとそれを支えていた鋭利な金属板のみとなり、その部分がプラッタに押し付けられるのですから傷だらけになります。防ぐには障害発生後、電源を入れない。これしかありません。酷い状態になると金属粉がHDD内部で積もっております。このような傷が入るとデータ復旧は難しいです。

現在、CSS方式採用のHDDは以下の通りです。
デスクトップ用 Seagate製、WesternDigital製、Samsung製、Maxtor製

日立製以外のデスクトップ用は全てCSS方式です。ランプロード方式の場合、ヘッド退避のときスライダがプラッタに吸付こうとする力に対し、反対方向に大きな力が必要(これで剥がす)で、HDD安定動作に必須な吸付きに対して逆行する行為が必要なため、色々な面で難しいのかもしれません。実際、動作中の故障よりも、前回起動まで正常なのに突然動かない症状が多いです。ヘッド退避の際にスライダをプラッタから剥がすのに無理が掛かり破損した線が濃厚です。

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