復旧不定期日誌243, M.2 SSD の動作について考察

SATAの枠組みを超えた新しい規格(M.2)のSSDに関するデータ復旧が急増しております。
この規格の製品は登場してから2年程度と思いますので、
その故障の割合は高めと結論せざるを得ない状況です。
その原因は、速度向上による発熱問題および、
多層フラッシュの問題も絡んでいるかもしれません。
そのためか、従来型SATA SSDの故障と比較いたしますと、
明らかにその挙動がおかしな故障が多いです。

たとえば、従来型のSSDが書き込み余力を失い、
エラー訂正不能な不良セクタを発生させた場合です。
この場合も動作が鈍くなるなどの症状が現れますが、
不良セクタを回避できるデータ復旧ソフトウェアで対処可能です。

しかしM.2は、この状態に陥りますと自分自身を制御できなくなる症状を起こします。
自分とCPUの間に制御する媒介がないため(PCIExpress直結)、
その分高速とはなりますが、僅かな異変でも、それに対処できる力が全くありません。
データ復旧が必要となる場合、ソフトウェアで制御することが難しいため、
現状、直接制御の手法で復旧できる復旧業者のみとなります。

僅かな異変や不良セクタで、自分自身を制御できなくなる症状は、
高速化との引き換えとはいえ、すこし厳しいかなとも考えさせます。

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